焼き物の産地「笠間市」と「益子町」が連携したストーリー「かさましこ~兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”~」が、日本遺産に認定されました(令和2年)。その中の笠間工芸の丘にある構成文化財をご紹介いたします。
🏺「田中友三郎彰徳碑」
明治時代の行商であった「田中友三郎」」は、笠間焼の復興、販路拡充に大きく貢献した人物として知られています。主力製品であるすり鉢、茶釜、茶壷を「笠間焼」の名で積極的に販売し、全国に知られる機会をつくりました。また、陶器製造組合や陶器伝習所を設立し笠間焼の振興にも尽力しました。そして地元の陶工がその功績を称え碑を建立。1998年笠間工芸の丘竣工を機に、敷地内の匠工房脇に移転しました。
「田中友三郎彰徳碑」 (写真:かさましこ日本遺産活性化協議会)
🏺「松井康成作品」
松井康成氏は、重要無形文化財「練上手」保持者(人間国宝)に認定された、笠間焼を代表する陶芸家です。笠間市にある月宗寺の住職を継ぎながら、中国、朝鮮、日本の古陶磁を研究し、2種類以上の土と土を組み合わせて模様を作る「練上手」の技術向上に努めました。代表的な作品は、「玻璃光」「嘯裂」「象裂」「萃瓷」といった独自の技法を施したものが有名です。また、新しい工芸のあり方を築くため「日本工芸会東日本支部茨城研究会」の設立にも貢献。次世代を担う笠間焼作家に大きな影響を与え続けています。現在は長男で住職でもある松井康陽氏が練上手を継ぎました。
両氏の秀逸な作品は、2024年12月にリニューアルした「クラフトアートスペース」にてご覧頂くことが出来ます。
作品名:「練上玻璃光壷」
阿弥陀経に書かれている7つの宝石の中の一つ玻璃は、硬い鉱物を研磨して光らせたものである。高温で焼成した後の壷は白く濁り、石のように硬い。松井氏はこの壷に11段階もの磨きを施し、釉薬をかけたものとは違う味わいの輝き、玻璃光を作り出した。
日本遺産「かさましこ」の詳細、構成文化財については下記の公式ホームページご覧下さい。
HP https://kasamashiko.style/